良い意味でも悪い意味でもいろいろと特徴的だったUSエアウェイズのプログラムが消滅し,どこも似たり寄ったりになってしまった感もある米系のFFPですが,よく見るとそれぞれ得意分野があり,目的に応じてうまく使い分けるとよいと思います.ここでは北米発着のビジネス・ファースト特典をメインに,どういう場合にどのプログラムを使うとよいかをまとめます.
ユナイテッド
昨年2月に自社便と提携他社便のチャートが分かれ,特に提携他社便ビジネス・ファーストクラスの必要マイル数が大幅アップしました.燃油サーチャージを取られない,往復であればストップオーバーが可能という利点はまだ残っていますが,必要マイル数が多めに感じられるケースがほとんどになってしまいました.それでも,MPMやルートの制限が比較的緩いことを利用したお得な使い方は残っているようです.
- ヨーロッパ経由の北・中米~アジア:ほとんどのFFPでは2つの特典の組み合わせになってしまいますが,ユナイテッドではまだ1つの特典として発券できます.特に他社ファーストの場合,北米~ヨーロッパと北米~日本は同じ片道11万マイルですし,アジアの他地域もヨーロッパ+1~2万マイルしかかかりません.
- 日本・北アジア~オセアニア・オーストラリア・ニュージーランド:ビジネス3~4万マイルはかなりお得です.
アメリカン
現在,米系大手の中では (まだ) 改悪の嵐を経験していないアメリカンが比較的必要マイル数は少なくなっています.
- アジア方面のファーストクラス片道62,500~67,500マイルでJALやキャセイが使えるのは魅力的です.
- 中東・インドのファーストクラス片道9万マイルはわりと良心的ですし,エティハドが使えるのもユニークです.
ただしルートの制約は厳しく,面白い旅程はなかなか組めません.またヨーロッパ方面で使うのはいまいちです.ビジネス片道5万マイル,ファースト片道62,500マイルは悪くはありませんが,アメリカン・フィンエアー・エアベルリンは取りにくく,ほとんどブリティッシュエアウェイズしか取れないのが現状で,高額のサーチャージがかかります.
デルタ
あまりに特典枠が少ない (あるいは必要マイル数が天文学的) ためにスカイペソと呼ばれ,最近特典チャートを非公開にしたこともあって非常に悪評の高いプログラムですが,今年に入って特典枠の開放に少し改善の兆しが見られます.またファースト特典は取れないものの,実際にビジネス特典が取りやすい提携他社が多いのも特徴です.
- アジア方面 (ビジネス片道7万マイル):大韓航空は,除外日以外北米線のどれかはほぼ確実に取れます.
- アメリカ~オーストラリア (ビジネス片道8万マイル):カンタスやユナイテッドの北米ノンストップはほとんど取れないのに対し,ヴァージンオーストラリアのブリスベーン線はかなり空いていますし,シドニー・メルボルン線もそんなに難しくありません.アメリカンでは不可能なアジア経由も可能です.
- ヨーロッパ方面 (ビジネス片道62,500マイル) :ヴァージンアトランティックやエールフランスは便数が多く,取りやすいです.
さらにここに挙げたエアラインであればサーチャージも取られません.
アラスカ航空
ワンワールド・スカイチームの航空会社とも提携していますが,特典にアラスカ航空便以外混ぜられないという制約があり,アメリカン・デルタマイルに比べて不便です.したがって,米系で唯一片道でもストップオーバー可能で,エミレーツやフィジー航空といったユニークな提携他社があるという特徴を生かすのが良いと思います.エミレーツ利用の北米~アジア (ドバイ経由) ファーストクラスは10万マイルです.
エアカナダ
北米発着に限り片道が往復の半分のマイル数で発券可能です.必要マイル数はユナイテッドより少なめのエリアが多いですが,サーチャージを取られる航空会社も多く,あまりお得感がありません.その中で比較的マシなのがヨーロッパ1 (ビジネス片道45,000マイル,ファースト片道62,500マイル) でしょう (ユナイテッドはそれぞれ7万・11万).
改めておさらいでき、勉強になりました。
わかっているつもりでも見落としていることは多いですね。とくにACの北米発着片道発券可、なのは見落としていました。
AAに関しては、カードホルダーが発券マイル10%OFFなのも大きいですね。
アジアへのファースト片道が50,000マイル代になり、かつサーチャージ無料というプログラムは今のご時世では奇跡のように思えます。
かっちゃんさん
ACの片道はなぜ北米発着限定なのかわかりませんが,いずれにしてもありがたいですね.AAの10%バックも大きいのですが,私は今年の分をとっくに使い果たしてしまい,しばらく恩恵に預かれません(笑).それでも他社に比べて非常にお得だとは思います.