アメリカンの整備士組合が会社を提訴


アメリカンのダラスの整備士組合が,「経費節減のために整備基準を甘くするよう強要された」として会社を訴えています.強要の例として,落雷や鳥との衝突が疑われた後に行うべき検査を省略したり,油漏れを無視したりするように指示されたなどが挙げられています.会社側はもちろん訴えの内容を否定しました.FAAは調査中なのでコメントできないということです.

本当だとするとひどい話で,ぜひしっかり調査してもらいたいところですが,訴状を額面どおりに受け取れない事情もあります.組合側の一方的な言い分ですし,訴訟そのものがいろいろな整備業務をマイアミなど他の整備ベースや外注に切り替えていることに対する組合の報復とも取れるからです.例えば777の重整備は香港のHAECOに外注されており,HAECOから戻ってきたばかりの機体に問題があったという事例も出てきますが,だからといってHAECOで整備を受けた機体を避けているとキャセイやユナイテッドにも乗れないということになってしまいます.また,実際に大きな問題があればFAAも黙ってはいないはずです.

とりあえずは過剰反応せず,FAAの調査結果を待ちたいと思います.

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