原油価格が急落中です.私の近所でも,先日久しぶりにガソリンが1ガロン (約3.8リットル) 3ドルを切ったと思ったら,見る間にプレミアムまで2ドル台になってきました.これを受けて,燃油サーチャージが下がるのではないかと期待している方も多いと思います.実際,JALは来年2月以降のサーチャージ値下げを発表しました.
ただ,一般には原油価格が下がったからといってすぐに航空運賃値下げにつながるとは限らないようです.
というのは,航空会社は燃料費変動のリスクを分散するために,固定価格で購入する契約 (fuel hedging) を結んでいることがあるからです.燃料費が高騰したときには得になりますが,最近のように急落しても高かったときと同じ価格で購入しないといけないので,逆に損になります.実際,そのために損失を計上することもあります.
なお,デルタは自社で精油所を保有しており,そこで上がる利益で fuel hedging の損失分の一部を補填できるそうです.
燃料費は航空会社のコストの大半を占めるだけに,なかなか一筋縄ではいかないようです.しかし,それなら燃油サーチャージってそもそも何なの?という疑問は残ります.