アメリカの地方路線事情についてはだいぶ前に書きましたが,アメリカンとUSエアウェイズの合併では当然地方路線部門も一緒になります.
USエアウェイズの地方路線は,US Airways Expressというブランド名で,実際の運航はMesa Airlinesなどの7つの小航空会社に委託されており,US Airways Expressという名前の航空会社は存在しません.旅程表などには US Airways Express operated by Mesa Airlines あるいは Mesa Airlines dba US Airways Express (“dba” は “doing business as” の略) と書かれています.
一方,アメリカンの地方路線はAmerican Eagleというブランド名ですが (American Expressは使えないのは当然ですが,これも十分紛らわしい!?),実際にAmerican Eagle Airlinesという航空会社 (アメリカンの子会社) があり,大半の便を運航しています.リストラの一環で一部の便をSkywest Airlinesなどに委託し始めたのはごく最近です.
合併によりUS Airways Expressというブランドは消え,American Eagleに統一されることまでは決まっていました.ところが,そうなるとAmerican Eagleとして運航を受託する航空会社の数が一挙に増え,”American Eagle Airlines”はAmerican Eagleとして運航するたくさんの小航空会社の一つにすぎないのに,ブランド名を一手に背負っているような形になります.
そこで,混乱を避けるためにAmerican Eagle Airlinesが名前を変えることにしました.新会社の名前は “Envoy” です.名前が変わると,American Eagleはブランド名だけになり,American Eagle operated by Envoy などという表示になります.
USエアウェイズの国際線に乗ったことのある方なら,ここでおや?と思ったかもしれません.Envoyというのは,USエアウェイズの国際線ビジネスクラスの名前なのです.実はビジネスクラスの名前としてのEnvoyは3月で消えることになっており,単なるブランドの使い回しではないかという気もしないではありません.
今回は乗客にとってはほとんど関係のない話でした.