先週はユナイテッドでペットを巡るトラブルが相次ぎました.
ユナイテッド客室内でペットが死亡
一番大きなニュースになったのは,小犬の入ったカゴをFAの指示で頭上の物入れに収納した結果,中の子犬が死亡したという事件です.ルールとしては,動物が入ったカゴは前の座席の下に収納することになっています.指示をしたFAが「犬が入っているとは知らなかった」と言っているのに対し,乗り合わせた乗客が撮影したビデオには犬を連れた乗客が「犬が入っている」とはっきり説明している場面が映っており,真相は謎のままです.
ユナイテッドは4月までに動物が入っているかごにタグを付けて識別しやすくするという対策を発表したものの,当然ながら非難が殺到し,ペットを頭上の物入れに収納することを禁止する法案を考え出した共和党の上院議員まで現れました.アメリカでは人間よりペットの命の方が尊重されるらしい,と言い出すと政治ブログになるのでやめておきます.
乗継時に入れ替わり
もう1つ (2つ?) のトラブルは,カンザスに行くはずの犬を成田行きの飛行機に乗せ,逆に日本へ行くはずだった犬がカンザスに行ってしまった,というもの.デンバーでの乗継の際にミスで入れ替わったためこんな事態になりました.カンザスで犬を引き取りに行った飼い主はさぞ驚いたことでしょう.
ちなみに,日本へ行ってしまった犬はなんとユナイテッド職員のエスコートで社用プライベートジェットに乗ってカンザスへ到着し,無事飼い主と再会できました.ユナイテッドは当初と同じく貨物室で運ぶつもりだったようですが,飼い主が客室に入れることを強く要求し,こういう扱いになったようです.日本へ行くはずだった犬も同様の扱いを受けたかについては報道がありません.
過剰反応?
これでひと段落かと思いきや,木曜日にまたペットがらみの騒動がありました.ニューアーク〜セントルイスのフライト中に犬が間違って乗せられていることが判明し,ほぼ経路上にあった本来の目的地・オハイオ州アクロンにダイバートしたというのです.費用や乗客の迷惑とPRを天秤にかけてこういう判断をしたのでしょうが,人間が間違って乗ってもプライベートジェットによる送迎やダイバートをしてくれるはずはなく,過剰反応としか言いようがありません.
上記珍法案といい,話題性に囚われて本質を見失った本末転倒の対応が多すぎるような気がします.
なお一応ユナイテッドを擁護しておくと,他社では大型犬は一般の貨物と同様に扱われるのに対し,ユナイテッドでは専用のスタッフがバンでターミナルと飛行機の間を輸送します.そのため,他社では受け入れられない気象条件でも受け入れることができ,自然と扱い数が多くなるので,その分事故が増えるのはやむを得ないところもあります.