12月27日アップデート:ストップオーバーに関する制約を追記しました.
先日の超格安ファースト運賃を購入した方が,アメリカンに第1セグメント以外のフライト変更にかかる費用を問い合わせたところ,現在の運賃との差額が必要と言われたという相談を複数受けました.それもレートデスクに確認した結果だということなのですが,私が運賃ルールを読む限りではどう考えても間違っています.そこで,今日はそのような回答を受けた場合の対抗策を記事にします.今回に限らず,フライト変更の際の「理論武装」として役に立つと思います.
運賃コードを確認
1冊の航空券に複数の運賃が混ざっている場合もありますので,まずは運賃コードを確認します.これにはサウジアラビア航空のサイトを使うのが便利です.Mange Bookings で e-Ticket を選び,アメリカンから送られてきたレシートに出ているEチケット番号を入力します.1つ目のボックスはエアラインごとに異なる3桁 (今回はアメリカンなので001),2つ目が残り10桁です.
運賃コードは Flight Details のところに Fare basis として出ています.今回は変更したいフライトのコードがF2E0Q5R1になっていて,そのコードが付いている最初のフライトではないことを確認してください.
運賃ルールを確認
次にExpertFlyerなどで運賃ルールを確認します.すでにこの運賃は販売されていませんので,Ticketing Date のところを実際の発券日に設定します.Purchasing City を SEL (ソウル) にした方がよさそうな気もしましたが,結果は同じでした.
すると,さきほどの運賃がファーストの中では1番上に出てきます.運賃が実際に購入したものより高いのが気になりますが,同日に Fare Basis が同じ運賃が複数あるとは思えないので間違いないはずです.次に右から3番目のアイコンをクリックして運賃ルールを表示させます.
見るのは Voluntary Changes のセクションです.変更をかけるのが出発前か出発後かで対応が分かれますが,ここでは出発前とします.該当部分はこちら.
ポイントは赤線のところです.”NO CHARGE” ということは手数料なしで,1〜6の条件を満たせば “REPRICE USING FARES IN EFFECT WHEN TKT WAS ISSUED”,つまり発券時に有効だった運賃を使って再計算します.
このように運賃の再計算が入ること自体は正解で,場合によっては差額が発生することもあり得ます.しかし,発券時に有効だった運賃ということは,購入した超格安運賃も対象になるので,同じ運賃が使える条件であれば差額は発生しないはずなのです.
6つの条件のうち引っかかる可能性があるのは実質以下の2つでしょう.
- 1. NO CHANGE TO 1ST FARE COMPONENT
- 5. ALL RULE AND BOOKING CODE PROVISIONS ARE MET
1は最初のフライトさえ変更しなければクリアできます.5は,運賃によってはストップオーバーの数や最長・最短滞在の条件があるために入っています.例えば,復路の日付を早めることによって最短滞在の条件を満たさなくなると,発券日に有効だった運賃の中で最短滞在条件が緩いものに変更しなければなりません.
しかし,この運賃ではそのような制約はありませんので,目的地でも変更しない限り引っかかりません.つまり,再計算しても同じ運賃になる可能性がほぼ100%,ということになります.
ストップオーバーがある場合 (12月27日追記)
しかし,オフラインである方と話していてストップオーバーがあると問題になりそうだということがわかってきました.この運賃の場合,ストップオーバーの回数は無制限なのですが,ストップオーバーする都市ごとに Highest Intermediate Point (HIP) チェックが入ります.これは,出発地から目的地 (この場合はソウルからニューヨークなど) までの通し運賃と,ストップオーバーする都市で区切った場合の運賃を比較して,その中で一番高いものを適用する,というルールです.例えば東京でストップオーバーがある場合,ソウル〜ニューヨーク,ソウル〜東京,東京〜ニューヨークの運賃を比較します.この場合,発券日の運賃でも東京〜ニューヨークが一番高いので,「正しく」再計算すると運賃が上がってしまいます.
ではそもそもなぜストップオーバーありでも同じ運賃で発券できたかということですが,何らかの理由でHIPチェックがされなかったとしか説明のしようがありません.
電話での対応例
一般には出発前の変更は変更時点での運賃で再計算するのが普通です.ファーストとしてはかなり安い運賃でもありますし,オペレーターがちゃんと確認しない場合はそのような回答になるのも仕方ないかもしれません.しかし変更対応に慣れているはずのレートデスクが確認しても同じ結果になるということは,どこかに誤解があるか,「売れてしまったものは仕方ないけど,なるべく変更はさせないようにしよう」という意識があるか,どちらかでしょう.したがって,電話では以下のように対応して,こちら側もルールをちゃんと知っているということをアピールするとよいと思います.
- まずは同じ運賃コードのルールを見ているかを確認
- 手数料云々と言われたら,運賃ルールに手数料の記載はないことを指摘
- 差額の基準が現在の運賃なのか発券日の運賃なのかを確認
- 現在の運賃と言われたら,この変更なら運賃ルール上発券日の運賃が使えるはずだということを指摘
- それでもダメだと言われたら,1〜6のどの条件を満たさないのかを確認
間違い運賃ではなかった!?
本題とは関係ありませんが,この運賃は12月15日頃には消滅してしまいました.てっきり間違いに気づいて引き揚げたものと思っていたのですが,ルーティング情報を見るとそうでもなかったようなのです.
有効期間が12月9日〜15日までとあるので,最初からその日で終わることになっていたことになります.間違い運賃ではなかったということでしょうか!?
とても手間が掛かったかと思います・・・、ありがとうございます!
私は第1セグメントを10月にしていて、それ以降は2018年に回そうと思っていました。
ICN-NRT
NRT-LAX
LAX-MIA
MIA-ORD
ORD-NRT
NRT-ICN
の計6セグメントです。
こちらとか他のサイトの動向を拝見していて
・とりあえず変更を掛け、1回変更できた事を縦に粘る
・来年の9月末まで一切コンタクトせず静観して情報を集める
どちかがよいか思案しながら、実は不安になっていました・・・。
(おそらく日本のデスクはダメで、本土の日本語デスクにコンタクトするつもりでした)
というのもAAのサイトがリニューアルされたから”FIRST FLEXIBLE”の英語ルールのページを
見つけられないでいたからです。
正に日本語(私は英語がダメなので・・・)で理論武装を目論んでいましたので、本当に感謝致します!
FC FLYERさん
First Flexible のページが見つかったとしても,おそらく一般的なルールが出ているだけで,再計算にいつの時点の運賃を使うかまでは出ていないと思います.
実はさっきまで別の方とこの運賃について話していて,ストップオーバーありだと問題になるかもという結論になりました.後ほど記事をアップデートしますね.
FC FLYERさん
私も復路は2018年に回すつもりで悠長に構えておりました。
脅かすようで申し訳ないのですが、AAのコールセンター。
私の場合、英語と日本語両方にかけましたが、残念ながら、日本人の方も全然ヘルプが期待できませんでした。
理論武装以前の問題で、変更などの条件をみてくれないどころか、発券が韓国ということで、一切こちらでは変更はしない。直接、韓国AAと話せ!くらいのレベルです。
こちらのヘルプデスクは人により、仕事ぶりの差が激しいので、いい人に当たるまで、電話をかけ続けるしかなさそうです。
それを見越して早めに動くことをお勧めします。
あくまでも、私の体験談になるので、他の人だと違うかもしれません。参考までにに、、、私もいい人に当たるのを祈るのみです、、、
Tak様、ご指南頂きありがとうございます。
折角教えて頂いたのに、残念ながら、サウジアラビア航空でエラーが表示されてしまい、運賃コード自体が確認できません…
AAのサイトでは予約確認できるので、予約自体はちゃんと取れてますが、なんだか色々と上手く行かないものですね…
気長に色々と格闘してみようかと考えております 笑
CMHさん
たまにSVサイトで出てこない予約がありますね.同じ発券元でも出たり出なかったりで,パターンが読めません.CMHさんの場合はおそらくSEL-NYCの単純往復なのでほぼ間違いなくこの運賃だけだと思いますが.
実はその後いろいろ調べて,S/Oが付けられたのは発券時のミスかもしれないという説が出てきています.そうだとすると,変更で正しく再計算されてしまうと確かに値段が上がってしまうので,それが原因かもしれません.
このチケットに関しては皆さまご苦労されているようです。(笑)
実は、後で気づいたのですが、私はNRT-JFKの区間がビジネスクラスにアサインされていました。
(多分、搭乗日にFがフルブックだったからだと推測してます。)
アメリカのAAに電話しても、ビジネスで予約されているとの返事で、ラチがあかず、、、発券してもらった韓国に直接聞けとの返事。
やっと今日、韓国へ電話したら、チケットの種類を確認してもらった上での返事がas it is です。以上。ファーストへの変更へは差額が必要との返事。
そんなのあり????
カスタマーサービスの人はナイスな人でしたが、調べてもらった上での返事なのでそれ以上は突っ込めず、、、JALのビジネスクラスでも十分ナイスよー。なんて気の良いおばちゃんで、それ以上は言えませんでした。
チケットはFなのに、、、チケットの種類を確認した上での返事です。
出発までは時間があるので、しばらくしてまたチャレンジしてみます。
まあ、この値段なので、ビジネスでもいいですけどねー。
一筋縄ではいかないチケットですね。まさに売れてしまったものはしょうがない。
って感じです。
しかし、日本発のファーストのほうがお得感があるので、、、
一度は乗ってみたい!
fare basis codeなどメモして、理論武装して再チャレンジしてみます。
韓国のカスタマーサービスでは日付の変更だったら、無料でできると言ってました。(私は往復両方に日本でのストップオーバーつけていますが、それに関しては特に言われませんでした。ただ、、人により言うことが違うのが怖いですけどね)
FTを読んでも、突然、金浦ー羽田が予約突然消されたり、面白すぎます。
参考までに、、、
どうも、韓国のAA電話しても英語を選ぶと、アメリカに転送されるらしく、
韓国語ができる人がいたら、頼んで韓国語のカスタマーサービスに電話するのが、
1番変更などもスムーズみたいですよ。
MFさん
体験談ありがとうございます.なかなか大変そうですね・・・
団体でもいない限りF運賃までいっぱいになるとは考えにくいのですが,NRT-JFKがビジネスになってしまったケースが結構あるようですね.その日のFが満席だと日付を変えなければならず,再計算するとS/Oの関係で値段が上がるというパターンでしょうか.
おっしゃる通り,FTによれば韓国デスクの韓国語担当が一番成功率が高いようです.中には韓国語を選んで,カタコトの韓国語で始めて結局英語で変更にこぎつけたという強者もいるようですが (笑).
私だけではないのですね。
ここまで邪険にされると、大変を通り越して笑えてきます。
ところで、一つ質問なのですが、最後の成田ー仁川は必要ないので、
ノーショーを考えているのですが、ペナルティーとか他に問題とかありますか?JFKで荷物を成田受け取りにすればいいかな?くらいに考えてるのですが、、、
MFさん
常習犯でなければ,ノーショー自体は問題ないと思います.NRTでストップオーバーするのであれば,何も言わなくても荷物はNRTまでになるはずですし.
最近のFTを読むと、発券元の韓国でも一切の変更をさせないようです。
理由としては、そもそものイニシャルの発券時の値段が間違いであって、本来の正しくあるべき発券時のプライスで再計算するという理屈のようです。
これってどうなんですかね?法的には通るのでしょうか?この理屈だと、fare ruleの存在意義がなくなる気がするのですが、、、
MFさん
確かに,そういう投稿がちらほらありますね.過去の間違い運賃のときに発券されてしまった分は仕方ないので使わせるけど,変更は一切認めないという例はあった気がしますが,運賃ルールがどうなっていたかまでは覚えていません.変更不可だったら買わなかったという議論はできますが,AAとしてはそれなら全額払い戻しておしまい,というのもありな気がします.
私もHND発からNRT発への変更を考えているので,電話してみます.
MFさん
EXPデスクに電話してみました.もともとICN〜NRTの翌朝のHND〜JFKだったのを,同日中にNRT〜JFKに乗り継ぐようにしたかったのですが,結論から言うと再計算なしで変更できました.ただエージェントの口ぶりではスケチェンがからんでいたからのような感じもします.
結果的には望み通りになったのですが,運賃デスクの判断にえらく時間がかかり,30分ほどたったところでエージェントが結論が出てから掛け直そうか?と言ってきたので,ちょうどミーティングが始まるところだったこともあってお願いしました.すると1時間以上後に本当に同じ人から even exchange で変更可能という電話がかかってきて,意外とやるじゃんと思ってしまいました.FTでは韓国にかけろと言われた人もいるようで,相手次第というところもありそうです.
おー、ラッキーですね。体験談ありがとうございます。
私もビジネスクラスにダウングレードの件で電話したときですら、韓国へかけろと言われました。本当にアメリカはエージェント次第ですね。
いいエージェントに当たるコツとか時間帯とかあれば、ぜひ伝授してください(笑)
復路は2018年の春に変更したいので今の段階では変更できずに、待ちの状態なのが逆にストレスです。とりあえずダミーで変更を試してみたい衝動が、、
takさんと違い、私は往復ともに、ストップオーバーをつけているので、そこが懸案です。スケチェンなどまったくからまないので、、最近のFTのやりとりが気になっています。なんだか、AAとしては、キャンセルに持ち込んでいきたい雰囲気が感じられます。最初の頃はみんな変更していた印象なのですが、、、
理論武装で通用しなければ、同じチケットで変更している人がいて、フェアではないということを主張して頑張ってみるつもりです。
FTのスレッドの最初のほうに、fare ruleの全文とおぼしきものがコピペされていて、#9の発言の人が24時間以上のストップオーバーをつけれない。と断言してますが、どこを読むとわかるのでしょうか?それともガセ?
もし、ブログのネタが切れたときは、ぜひfare ruleの読み方教室でも記事にしてください。とリクエストしておきます。
あと不思議に思うのが、なぜここまで日程変更をAAが拒むのかが素人としては謎です。事務が煩雑になる以外に損害が大きくなる理由とかあるのでしょうか?
それとも単に間違い運賃のチケットを顧客の方からキャンセルさせたいだけ?
MFさん
私はだいたいアメリカ東部時間の昼過ぎにかけることが多いのですが,そんなにひどいエージェントに当たったことはない気がします.深夜・早朝はランクの低い人のシフトになることが多いか,海外へ回される可能性が高いのかもしれません.ただコールバックだと経験上スキルのない人がかけてくることが多いので,どんなに長くても待つことにしています.
ストップオーバーは,highest intermediate point (HIP) チェックというルールに引っかかるのが問題なのではないかと思っています.東京でストップオーバーを入れると,高い東京〜JFKの運賃が適用されるというルールです.こればかりはルール上も本当に間違いで,もとの発券日の運賃を使っても高くなるのは確かなので,運賃差額なしでの変更は厳しい感じがしています.
Fare rule に関しては実はだいぶ前に記事にしたことがあるのですが,アップデート版を考えてみますね.