航空券の変更・払戻ルールは複雑ですが,実際にはいくつかのパターンに分かれるので,どのパターンに当てはまるかを探していけば意外と簡単にExpertFlyerの Fare Information でわかります.
払い戻し
パターンとしては以下の3つがあります.
- 払い戻し可
- フライト後 (ノーショー) を含めいつでも可
- 事前キャンセルの場合のみ可
- 払い戻し不可
払い戻し可でも手数料を差し引かれる場合もあり,運賃ルールの Penalty 欄に金額が書かれています.ノーショーでも払い戻せる場合,事前キャンセルに比べて手数料が高いことが多いようです.以下の例はカタール航空のコロンボ〜ボストン格安ビジネスで,ノーショーの場合は手数料が運賃そのもの (900USD) より高くなってしまいます! また出発3時間前までに申し出ないとノーショー扱いになるようです.
払い戻し不可の場合は non-refundable とあります.これは別の運賃の例.
このときはキャンセルすると手数料を差し引いた金額を同じエアラインの新しい航空券購入に充てることができます.ただし,名義は変えられませんし,もともと払い戻し不可だった金額は,新規航空券のルールに関わらず払い戻せないのが普通なので,ここで払い戻し可の航空券を新規購入して全額払い戻してもらう・・・ということもできません.
新たに購入した航空券が (もとの航空券ー手数料) よりも安かった場合,残額がバウチャーになります.このバウチャーは他人名義の航空券購入にも使え,もとのルールを引き継ぎません.
つまり,どんな航空券でも (手数料+そのエアラインから出ている最安の航空券) 分の金額を捨てれば,比較的自由に使えるバウチャーに化けます.
変更
変更のパターンも大まかに言って3つです.
- 変更不可
- 変更可
- 出発前は変更時の運賃,出発後は発券時の運賃を使用
- いつでも発券時の運賃を使用
デルタのベーシックエコノミーは,このように払い戻しも変更も不可.
ほとんどの運賃は手数料と運賃差額を払えば変更可能で,この手数料も Penalties 欄に書いてあります.ただ問題になるのは運賃を再計算する際にどの時点での運賃を使うかです.超格安ファースト・ビジネス運賃を購入した場合,変更するときにはもうその運賃が販売されていないのが普通なので,変更時の運賃を使うと高額になることが多いのです.
このルールは Penalties か Voluntary Changes の欄に書いてあり,だいたい大きく出発前と出発後に分けられます.ときどき例外はありますが,出発前の変更の場合は変更時に有効な運賃を使うのが普通です.
一方出発後に変更すると,もともとの発券時に有効だった運賃が使われることが多いです.復路の変更は往路を飛び終えるまで待つのがよいことになります.
ところで,上記2例はいずれも同じカタール航空のビジネス運賃からですが, Penalties に書いてあった変更手数料80USDがどこにも出ていないので不思議に思っていたら,下の方にやっと出てきました.上との違いは変更後の運賃クラスです.これはビジネスの中では一番低いRクラスですが,それより上のクラスに変更する場合は手数料が免除されるようです.
運賃差額の扱い
もともとの発券時の運賃を使うことになっても,全く同じ運賃になるとは限りません.違う運賃を使わなければならない理由としては,例えばこのようなものがあります.
- 同じ運賃クラスに空きがない
- ストップオーバー不可の運賃だったところへストップオーバーが入った
- 最短滞在日数制限のある運賃を使っていたが,復路の日程変更によりそれを満たさなくなった
手数料+新運賃がもともと払った値段より高くなれば,当然差額を徴収されます.逆に手数料分以上に安くなった場合の対応には何種類かあります.だいたいもとの運賃の制約で決まり,制約の強い順に以下の3種類でしょう.
- 返還なし
- バウチャーとして返還
- 現金で払い戻し
まとめ
大まかな運賃ルールは購入前に表示されますが,変更時にどの時点の運賃を使うかなど細かいところまではわからないことも多いです.あらかじめルールを知っておけば日程をどのくらい確実にしておくべきか判断できますし,変更すべきか迷う場合にも損得勘定がしやすくなります.