先日の大阪球場さんのコメントのフォローです.
事の発端は,6月にワンワールドがアライアンスのルールを改悪し,別予約の場合はワンワールド (同一エアラインを含む) 同士であっても荷物を通しでチェックインしなくてよくなったことです.ブリティッシュエアウェイズとキャセイは早速この新ルールを採用しましたが,アメリカンは当面従来のルール,つまりワンワールド同士であれば別予約であっても荷物を通しでチェックインできるというルールを維持していました.
ところが,9月になってとうとうアメリカンも追従してしまいました.9月1日付で旅行代理店向けの情報が更新され,以下のようなルールになっています.
同一予約 | 通しチェックイン | 遅延時の保護 | |
---|---|---|---|
AA→AA | Yes | Yes | 有 |
AA→AA | No | No | 有 |
AA→ワンワールド他社 | Yes | Yes | 有 (同一経由地) |
AA→ワンワールド他社 | No | No | 有 (同一経由地) |
AA→非ワンワールド | Yes | No | 有 |
AA→非ワンワールド | No | No | 無 (AA部分のみ) |
荷物を通しでチェックインするには,同一予約ですべてワンワールド加盟エアラインである必要があります.非ワンワールドの提携他社 (アラスカ航空,エティハドなど) へは,従来どおり例え同一予約であっても一旦荷物を引き取り,預けなおさなければなりません.
ただし,公式情報は見当たりませんがルール変更前に購入した航空券に関しては旧ルールが適用されるという話もあり,8月までに発券していた方はゴネてみるのもありかもしれません.最初からわかっていればもっと乗継時間の長いフライトを予約していた,という議論は成り立ちます.
救いは,ワンワールド間であれば別予約であっても遅延・キャンセル時の保護が存続することです.ただ他社の場合は同一予約であっても経由地を変更できないとあるので,振替には制限があります.例えば同一予約でアメリカン・キャセイのダラス→香港→バンコクに乗る予定だった場合,ダラス→香港がキャンセルになったからといってJALを使ったダラス→成田→バンコクへは変更できません.
通しチェックインに関するルール変更の理由は「荷物の紛失が多いから」ということです.自分たちの無能を認めているのは潔いとしても,裏に手数料をしっかり徴収しようという意図があるのではないかと勘繰れなくもありません.
実は私は荷物の通しチェックイン制度を利用して手数料を免れたことがあります.キャセイで香港→ロンドン,その後別チケットのブリティッシュエアウェイズでロンドン→ツールーズという旅程でしたが,ブリティッシュエアウェイズのフライトが上級会員でも荷物を預けるのが有料のベーシック運賃だったのです.私が香港からツールーズまで通しでチェックインしたことで,ブリティッシュエアウェイズが徴収できるはずだった手数料を逃したことになります.
takさん、
早速のフォローありがとうございました。
僕も知りませんでしたので、こうして記事にしてもらえるとありがたいですね。
色々ありますが、100歩譲るにしても、AA同士の別切り航空券でも荷物のスルーチェックインをできなくした、
と言うのは本当に理解できないです。そんなに荷物をなくしていたんでしょうか。
別切りは嫌われ者なんでしょうか。スルーのほうがある意味人件費等節約できたと思うのですが。
レガシーキャリアという看板が泣いていますよ(言い過ぎ?笑)。
アライアンス内でせっかく移動がシームレスになって便利になったのに、別切り航空券の荷物は別ですか・・・。
心身一体という熟語がありますが、荷身一体という言葉を彼らに送りたい(なんのこっちゃ?)
他アライアンスが追従していないことが救いです。
大阪球場さん
いえいえ,遅くなってすみません.
確かに別切りにすると最短乗継時間を確保しない乗継も発券できてしまうので紛失の確率は上がるかもしれませんが,特定区間の特典枠がないとかやむを得ない事情があることもあり,一律にスルーチェックイン不可にするのは疑問ですね.荷身一体! 素晴らしい言葉です!?
UAはスタアラ同士なら別切りでもスルーチェックインしてくれますし,DLも特典航空券との乗継を含め,かなりのケースでスルーチェックインしてくれます.
https://pro.delta.com/content/agency/us/en/news/policy-update-archive/2016/january-2016/delta-confirms-through-check-baggage-policy–.html
ただ別切りでの乗継のプロテクトは,他アライアンスでは少なくとも公式にはしてくれないので,ワンワールドの強みではあります.