ジャーマンウィングの事故 2


3月24日に発生したジャーマンウィングの墜落事故は,予想外のスピードで原因究明が進み,副操縦士が故意に墜落させたという見方が強まっています.

最初に事故のニュースを聞いたときは,悪天候でもないのに巡航高度に達してから墜落するという異常さに,まだ未知の不具合があったのかとぞっとしたものです.故意であれば機材に問題はなかったと少し安心する一方,一体誰なら信用できるのかという恐ろしさもあります.まだ記憶に新しいマレーシア航空機事故も機長が故意に起こしたのではないかという見方が有力なだけに,なおさらです.

そもそも操縦室のドアを外から開けられなくしたのは同時テロがきっかけでした.米系航空会社では,パイロットがトイレに行くためにドアを開けるときにはFAがカートで通路を塞ぎ,監視します.また,これによってパイロットが1人になるときはFAが操縦室に入ることになっているようです.ただし今回のような事件を想定していたわけではなく,操縦室に残ったパイロットが万一心臓発作などにより動けなくなったときにもFAがドアを開けられるようにしておくためで,犯人は乗客という前提に立っていることに変わりはありません.

ジャーマンウィングの事故をきっかけに,世界的にも操縦室に常時2人いることを義務付ける動きが出てきました.これで今回のような事件を完全に防げるかどうかはわかりませんが,1人になったところで決行したところを見ると,やはり操縦室にもう1人いれば可能性はかなり減るように思います.


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2 thoughts on “ジャーマンウィングの事故

  • 広島風お好み焼き

    搭乗者の方々、乗務員の方々、そのご家族・友人・関係者の方々に、お悔やみ申し上げます。

    ここから先は、航空機好きの自我とお許しいただいて・・・

    本当にこればっかりは、乗客としては乗務員の方々を信じるしかないです。
    でも、案外あるんですね・・・。ネットが発達する前が大半のようではありますが。
    http://www.afpbb.com/articles/-/3043747

    生死の区別がはっきりと分かれることが多いかと思いますが、
    死亡率に関しては、他の交通手段と比較すれば圧倒的に低い航空機。
    世界的ニュースになるのは事故率が低く、一度に失われる命も多いからと思いますが、
    トラブル発生時に、乗務員のプロフェッショナルな対応をしていただけるからと信じて搭乗しています。

    • tak Post author

      広島風お好み焼きさん

      はい,同様の事件は今回が初めてではないようです.シルクエアーの事件はよく引き合いに出されますが,公式には結論が出ていないんですね.
      乗務員はじめ,航空機メーカー・地上スタッフの努力で低い死亡率が実現されていると思います.飛んでしまったら,乗客としては乗務員を信じるしかないですね.