コロンビア墜落事故の原因


コロンビアのメデリンで発生したチャーター機の墜落事故は,元Jリーガーが乗っていたことから日本でも大きく報道されたようですが,どうも事故原因はにわかには信じ難いものだったようです.

墜落したのは Avro RJ85 という機種で,4発機ながら航続距離の短い小型機.ボリビアのサンタ・クルズからコロンビアまでという区間をよく飛ばしたなと最初から思っていたのですが,やはり公称航続距離ぎりぎりだったようなのです.もちろん燃料は少し余裕を持って積み込むので,航続距離いっぱいのフライトプランを立てることはあり得ません.

しかも,この会社が保有する3機のうち実際に運航できたのがこの1機だけで,今回が初の国際線チャーターだったそうです.パイロットは会社の共同経営者でもあり,利益優先で無理な仕事を引き受けた可能性も大いにあります.また,燃料切れ寸前なのに非常事態を宣言しなかった理由として,予備燃料を積んでいなかったことがばれることを恐れたことがありそうです.

燃料不足による事故には定期便でも前例があります.JFK近くに墜落したアビアンカ機の事故は適切に非常事態を宣言しなかったのが原因とされ,乗員乗客の半数近くが死亡しました.エアカナダ機の場合は単位の勘違いで予定を大幅に下回る燃料しか積まれず,巡航中に燃料切れになりましたが,パイロットがグライダーのように滑空させてなんとか旧空軍基地のレーストラックに着陸させ,死者を出さずにすみました.エアトランサット機は修理ミスによる燃料漏れで同様の状態になり,エアカナダ機を上回る距離を滑空して緊急着陸しました.

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です