一番「速い」航空会社


米系航空会社の定時到着率に関する面白い記事がありました.

米系各社の定時到着率はFAAから定期的に発表されますが,利用者から見た遅延の実態を表しているとは言えません.というのは,15分以上の遅れがすべて同等に1件としてカウントされるからです.遅れが15分と2時間では実感としての遅延の影響は全然違いますから,この記事のように15~119分の遅れと120分以上の遅れを分けると遅延の影響がわかりやすくなります.それによると,デルタでは15分以上の遅延は17.4%ありましたが,2時間以上遅れたのは3.2%,残り14.2%は2時間未満でした.これに対し,アメリカンは15分以上の遅延27.5%のうち2時間以上が5.9%もありましたし,ユナイテッドはさらにひどくてそれぞれ28%,6.7%となっています.つまり,2時間以上の遅れに遭遇する確率はデルタよりもアメリカンやユナイテッドの方が2倍近くあることがわかります.

さらに面白いのは,遅延率はある程度航空会社が操作できるということです.タイムテーブル上の所要時間には,フライトそのものにかかる時間だけでなく,フライト前後の地上走行の時間が含まれていて,これを英語では “padding” と言います.パッドを長めに取ることで見かけ上の遅延率を抑えることができますし,逆に短めにして機材を有効活用することもできます.そのため,同じ区間でも「速い」航空会社と「遅い」航空会社が出てくるわけです.

先ほどの記事では,各航空会社が平均的なパッド時間に対してどのくらい設定しているかも紹介されています.これによると,LCCはやはり機材を目一杯使うためか全体に短めで,大手は長めです.中でもユナイテッドは平均より2分余りも長めに取っており,ユナイテッドのフライトは見かけ上一番「遅い」ということになります.仮にユナイテッドが平均的なパッド時間でスケジュールを組んだとすると,遅延率はさらに2%悪化します.

このパッド時間は必ずしも航空会社のせいではなく,空港の混雑度合いにもよります.JFKなどの混雑空港ではスケジュールに余裕を持たせてあるような気がしますが,統計的にもその通りで,ニューヨークの3空港が出発・到着とも最長となっています.西海岸ではサンフランシスコが長めのようです.

以上のデータを勘案すると,どの航空会社が「速い」フライトを飛ばしているかがわかります.それによると,一番「速い」のはヴァージンアメリカとUSエアウェイズ,一番「遅い」のはユナイテッド,アメリカンとなっており,ヴァージンアメリカとユナイテッドでは同じ区間でも平均13分も所要時間に差があるのだそうです.大手の中ではUSエアウェイズとデルタが比較的速い方となっています.

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