カナダ,アイルランドやカリブ海の一部の空港からアメリカへのノンストップ便に乗るときは,原則としてこういう流れになります.
1. 出発国の出国審査を受ける
2. そのままアメリカの入国・税関審査を受ける
3. 搭乗,フライト
4. アメリカへ国内線として到着
つまり,アメリカへのフライトが多い空港へ入国審査官を派遣して,アメリカでの入国審査の混雑緩和を図っているわけです.乗客,特に外国人にとっては,本土での長い入国審査の列を通らなくてすむので大変有難い話です.
ところが,同様の施設をなんとアブダビに設置することが発表されました.アブダビからアメリカへのノンストップ便を運航しているのはエティハドだけなのに,なぜ? と誰しも疑問に思うところです.ドバイなど他の中東の空港からノンストップ便を運航している米系航空会社からしてみれば,エティハドに乗客を奪われる可能性さえあります.
税関・国境取締局 (CBP) が言うには,テロを防ぐにはテロリストを搭乗前に捕まえるのが最も効果的だから,だそうです.確かに,アメリカ行きの便だけ特別なセキュリティチェックをしていますから,それをもっと徹底的にしたものと考えればわからなくもありませんが,テロリストとすれば他の空港から乗ればいいわけで,それほど効果があるとも思えません.
では中東の数ある空港の中でなぜアブダビかというと,空港がなんと運営経費の85%を負担することにしたのだそうで,なかなか太っ腹です.