アメリカではサービスを受けるとチップを払うことになっている,というのは多くの方がご存知だと思います.レストランなどでは配分されたチップを含めてやっと法定最低賃金に達するようなところもあり,チップをもらわないとやっていけないことがあるのも確かです.
このチップですが,意外と複雑でアメリカ人の間でも誰にどのくらい払うべきか意見が分かれることがあります.レストランのウェイター,タクシーの運転手,ホテルのベルボーイにはほぼ間違いなくチップを払います.ホテルのシャトルバスの運転手にも払うことが多いようです.しかし額については,例えばレストランだと人によって勘定の15~25%程度と幅があります.ホテルのルームメークに関しても,置かなくていいという人,毎日1人1~2ドル置くべきだという人,特に汚してしまったときだけ置くという人など,いろいろな意見があります.
さて,レストランと同じように食事や飲み物のサービスを受けても,飛行機でFAにチップを払うことはありませんね.勘定書きがないので払いようがないという話もありますが,では高級ワインなど以外は無料の空港ラウンジのバーテンダーはどうでしょう.
アメリカ以外のラウンジではアルコール類はセルフサービスのところが多いのですが,アメリカでは州によって対面で年齢を確認して提供するのが原則になっているところもあるらしく,そういうところではバーテンダーがサーブします.IDを要求されても,法律でそうなっているだけで必ずしも若く見えたわけではないので念のため.ワシントン・ダレスのルフトハンザラウンジはカウンターの上にワインなどが並んでいて一見セルフサービスなのですが,よく見ると欲しいときはアテンダントに頼むこと,という張り紙があって一体どっちなんだという感じです.場所によってはコーラなどのソフトドリンクもバーテンダーに頼まないと飲めないことがありますが,これは飲みにくくして経費を削減しているだけと思われます.
話が逸れました.結論としては,アルコール類を頼んだときは1杯1ドル程度のチップを置き,ソフトドリンクの場合は置かない,という人が多いようです.少数意見としては,タダなのだからチップもいらないという人 (有料のものを買ったときだけ払う),出るときにまとめて数ドル置くという人もいます.いずれにしても,置かなかったからといって睨まれたりすることはないので,1ドル紙幣の持ち合わせがなくても遠慮することはありません.