一時,アメリカの国内線では機内エンターテイメントをやめる傾向があったのですが,WiFiが普及して高価なモニタを装備しなくてもストリーミングでIFEを提供できるようになったことに加え,業績が上向いて最低限度以上の設備投資ができるようになってきたためか少し復活してきたようです.アメリカは国内線とはいえフライト時間が5時間を超えることもあるので,WiFi以外のIFEは重宝することもあります.
例えば,大手は3社ともWiFiを利用したストリーミングを提供していて,自分のスマートフォンやタブレットで視聴することができます.また,デルタとアメリカンに関しては新機材を中心にシートバックモニタが装備されています.
これらのIFEは従来ファーストで無料,エコノミーは一部コンテンツを除き有料だったのですが,デルタが7月から完全無料化したのを皮切りに,ユナイテッド・アメリカンも相次いで無料化しました.珍しく全社が改善の方向へ足並みを揃えたことになります.
これで,有料IFEはユナイテッド (旧コンチネンタル) の古い737に装備されている DirecTV (衛星のライブTV) のみになりました.これに関してはどうも DirecTV が無料で設置する代わりに視聴料を受け取り,しかも他のIFEを設置できない契約になっているらしく,契約が切れるまで有料のまま残る可能性があります.なお,同じく DirecTV を搭載しているジェットブルーは無料で視聴できます.年中スポーツシーズンのアメリカでは,リアルタイムで中継が観られるライブTVも結構人気があるようです.