遅延・キャンセルへの対応


幸い私は空港に長時間足止めされたという経験はありませんが,悪天候や機材故障でフライトが遅れたり,キャンセルされたりすることはよくあります.ここではそのような状況への対応方法についてまとめてみます.アメリカへの旅行で国内線を使う場合など,役立てていただければ幸いです.
ハリケーンなど事前に予想できる悪天候に対する米系航空会社の対応は,最近は空港での混乱を防ぐことに重点が置かれているようです.具体的には,

  • 影響の出そうな空港を出発・経由・到着地とする航空券について,変更手数料を免除する (waiver)
  • キャンセルを早めに決める

などの対策を2~3日前から講じることが多いです.乗客としては,出発するかどうかわからないフライトを空港で待つよりは楽でしょう.結果的に予想ほどひどくはならず,飛ぼうと思えば飛べたかな,というケースもありますが,逆の結果になった場合を考えるとやむを得ないと思います.例えば昨年のハリケーンサンディのときは私も出張予定が入っていましたが,当初乗る予定だった便は前日に欠航が決まりましたので,航空会社に電話して翌日の便に替えてもらいました.対策としては,フライトの2~3日前から目的地などの天気予報をチェックし,悪天候が予想されるようなら航空会社のウェブサイトで手数料なしで変更が可能になっていないか確かめるとよいと思います.
しかし,機材故障など突発的な遅延・キャンセルは事前に準備できません.最近はどこの航空会社もキャパをぎりぎりまで削っていますので,あぶれた乗客を受け入れる余裕がなくなってきており,1つでもキャンセルが発生すると椅子取りゲームの様相を呈することになります.他人に先んじて代替便に席を確保するためには,以下のような対応が考えられます.
問題が起こる前に対応する
遅延のために乗り継ぎができなかった,というのはよくあることです.このとき,乗り遅れてから対応するのではなく,前の便が遅れそうだということがわかった時点で対応してしまうのが理想です.
大幅な遅延で乗り継ぎはまず無理,という状況なら,チェックインカウンターかカスタマーサービスで別の経路に変更できないか聞いてみましょう.
遅れても何とか間に合うかもしれない,という場合は,乗り継ぐ便より後に出発する便に席を念のため確保してもらえることがあります.私はこれをユナイテッドで何回かやりました.あるとき,ブリュッセルからワシントンDC (ダレス) 経由で帰ってくることになっていましたが,ブリュッセルからの便が遅れ,ダレスでの乗り継ぎが微妙でした.そこで,ブリュッセルで出発を待つ間にUAに電話し,予定の便より5時間ほど後にダレスを出発する便に席を確保してもらいました.完全に振り替えたわけではなく,元の便にも席は残っていますので,間に合えばそちらに乗ることができます.ダレスに着いてダッシュしましたが数分の差で間に合わず,5時間待って確保しておいた便で帰りました.特に長距離国際線から乗り継ぐ場合は,着いた時点で空席が残っている保証はありませんので,たいへん心強い方法です.
長蛇の列に並ばなくてすむ方法
ゲートでキャンセルが決まると,たちまちカウンターに長蛇の列ができてしまいます.これに並ばなくてすむ方法はないでしょうか?
1つは,単純ですが列の短いカスタマーサービスを探すことです.大きな空港であればカスタマーサービスはいくつかあり,悪天候で同時に何便も欠航したのでなければ空いているところが必ずあります.
もう一つは電話です.ほとんどの場合,カウンターと同じ変更が電話でも可能なので,待ち時間がよほど長い場合を除き,列の後ろに並ぶよりは早く対応してもらえます.
ラウンジが使える搭乗クラス・ステータスであれば,ラウンジのサービスデスクの方が確実に列が短いので,そちらで変更してもらいましょう.
さらに,私は使ったことがありませんが,航空会社のTwitterアカウントに連絡すると素早く対応してもらえることがあるようです.今のところ,デルタ航空の @DeltaAssist が最も確実だという評判です.
自分で下調べをする
カウンターや電話で「キャンセルされたから何とかしてくれ」と言っても,相手も大勢の乗客に対応しなければならないので,一番簡単な変更で済ませようとするのが人情です.一番簡単というのは,たいてい同じルートで次に空席のある自社便ということになりますが,そうすると国際線の場合目的地に到着できるのが2~3日後ということになりかねません.
しかし,経由地や航空会社の選択肢を広げて探してみると,空席があってもっと早く到着できる方法が見つかることがよくあります.そこで,予約サイトなどで空席のある便を探しておき,それを代替便の候補として先方に提示すれば,向こうとしても探す手間が省けるので,こちらが希望する便に変更してもらえる可能性が高くなります.またUAの例ですが,あるとき地元の空港からダレス経由でパリへ行く予定が,ダレスへの便が欠航になったことがあります.システムが自動で割り当てた代替便が翌日の同じ時間だったのですが,それでは大事なミーティングに間に合いません.UAのサイトでシカゴ経由に1席だけ空きがあることを確認した上で電話し,そちらに変更してもらった結果,予定より数時間遅れただけで無事パリにたどり着きました.
自分の権利を知っておく
万策尽きて経由地などで宿泊することになってしまった場合には,航空会社に何を要求すべきかを知っておきましょう.損をしないということもありますが,法律で義務付けられている以上の補償を要求しても,時間の無駄になるだけだからです.
アメリカでは,天候が理由の遅延・キャンセルの場合は,残念ながら航空会社に補償の義務はありません.ただし,ファースト・ビジネスクラスや高いエリートステータスの乗客に食事券や宿泊券を提供することはあります.機材故障の場合は,ほとんどの航空会社で食費・宿泊費を負担する規定になっています.
EUに本拠を置く航空会社が運航する便,およびEU内の空港を出発するすべての便については,Regulation 261/2004という規定で,キャンセルまたは2~4時間以上の遅延に伴う食費・宿泊費は理由に関わらず航空会社が負担しなければなりません.場合によっては現金による補償を受け取ることもできます.

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