Uberが,カリフォルニアとマサチューセッツの両州でUberXの運転手から社員としての扱いを求める訴訟を起こされていました.このほど成立した和解で,運転手の社員待遇は実現しなかったものの,総額1億ドルの和解金,契約停止前の警告と説明を受ける権利,それに車内にチップを要請 (solicit) する紙を掲示する権利を勝ち取りました.よくホテルのシャトルバスなどで見かける “tips appreciated” のような文言が書かれた張り紙と思われます.
確かに一部の都市ではタクシーに対抗するために料金を低めに設定していて,運転手の取り分が少ないということもあるのかもしれませんが,これは運転手と客の関係を悪くするだけのような気がします.利用者としては現金がいらないというメリットがなくなりますし,掲示があると運転手に評価されることを意識してチップを払わなければならないような圧力を感じそうです.逆に運転手の方もそんな掲示をしたら評価を落とされる危険もあり,結局双方が疑心暗鬼になってUber全体の印象を悪くするだけではないでしょうか.
これとは別に,ニューヨークなど一部都市で運転手到着2分後に時間料金をカウント開始する (現在はいくら待たせても出発してから) という試みを始めたそうです.アプリに表示される予想より早く到着したらどうするのかという議論もあるでしょうが,無駄に待たされる運転手の都合を考えると妥当でしょう.
ところで,同じようなサービスで Lyft というのがあります.こちらはアプリからキャッシュレスでチップが払えて,しかも額はその場では運転手にわからないそうで,よほどすっきりしたシステムです.今度機会があれば試してみたいと思います.