12/10 アップデート:2015年以降のメダリオンボーナスを勘違いしていたので修正しました.
来年1月1日の実施まで1ヶ月を切ったところで,ようやく来年からのデルタの特典マイル加算率 (提携航空会社発券分) が発表されました.デルタ発券の場合は,既報の通り運賃とサーチャージを合わせた金額にステータスによる一定係数をかけたものになります.アメリカ在住でステータスも必要な場合はMQD獲得のために極力デルタ発券にせざるを得ませんが,そうでなければどちらが得かの判断が微妙になりそうです.
ある程度予想通りながら,今年までと比べると大幅改悪となっています.金額ベースのマイル数とバランスをとらなければならないので,仕方のないところでしょう.今まで一番安い運賃でも100%加算されていたグループ1 (アラスカ航空,エールフランス,KLM,ヴァージン系等) も,アラスカ航空とヴァージン系は最低50%,エールフランスとKLMに至っては最低25%と,大幅減となります.
エールフランスでJFK~パリ (往復7,270マイル) を飛んだ場合で比較してみると以下のようになります.表示されている金額は運賃とサーチャージのみで,V,N,Uはそれぞれ2015年以降の25%,50%,100%カテゴリの一番安い運賃になります.
運賃 | 搭乗日 | 一般会員 | シルバー | ゴールド | プラチナ | ダイヤモンド |
格安エコノミー(V) 距離: 100%→25% 金額: $899 | 2014年まで | 7,270 | 9,088 | 14,540 | 14,540 | 16,358 |
2015年以降(距離) | 1,818 | 2,545 | 2,908 | 3,272 | 3,999 | |
2015年以降(金額) | 4,495 | 6,293 | 7,192 | 8,091 | 9,889 | |
格安エコノミー(N) 距離: 100%→50% 金額: $999 | 2014年まで | 7,270 | 9,088 | 14,540 | 14,540 | 16,358 |
2015年以降(距離) | 3,635 | 5,089 | 5,816 | 6,543 | 7,997 | |
2015年以降(金額) | 4,995 | 6,993 | 7,992 | 8,991 | 10,989 | |
エコノミー(U) 距離: 100%→100% 金額: $1,859 | 2014年まで | 7,270 | 9,088 | 14,540 | 14,540 | 16,358 |
2015年以降(距離) | 7,270 | 10,178 | 11,632 | 13,086 | 15,994 | |
2015年以降(金額) | 9,295 | 13,013 | 14,872 | 16,731 | 20,449 | |
正規エコノミー(Y) 距離: 100%→100% 金額: $4,268 | 2014年まで | 7,270 | 9,088 | 14,540 | 14,540 | 16,358 |
2015年以降(距離) | 7,270 | 10,178 | 11,632 | 13,086 | 15,994 | |
2015年以降(金額) | 21,340 | 29,876 | 34,144 | 38,412 | 46,948 | |
格安プレミアムエコ(A) 距離: 125%→100% 金額: $1,249 | 2014年まで | 9,088 | 11,359 | 18,175 | 18,175 | 20,447 |
2015年以降(距離) | 7,270 | 10,178 | 11,632 | 13,086 | 15,994 | |
2015年以降(金額) | 6,245 | 8,743 | 9,992 | 11,241 | 13,739 | |
格安ビジネス(Z) 距離: 150%→125% 金額: $4,256 | 2014年まで | 10,905 | 13,631 | 21,810 | 21,810 | 24,536 |
2015年以降(距離) | 9,088 | 12,723 | 14,540 | 16,358 | 19,993 | |
2015年以降(金額) | 21,280 | 29,792 | 34,048 | 38,304 | 46,816 | |
距離ボーナス | 0% | 25%→40% | 100%→60% | 100%→80% | 125%→120% | |
金額係数 | 5 | 7 | 8 | 9 | 11 |
正規運賃以外は,その運賃クラスの中で最も安い fare basis の条件に当てはまるよう出発日・滞在日数を選びましたので,同じ運賃クラスだとこれより高い運賃しかありません.つまり金額基準のマイル数はこれより多くなる可能性が高いということになります.
うまく加算率を決めたということなのか,高いチケットはもちろん,格安チケットでも金額基準の方がマイル数が多いという結果になりました.距離のステータスボーナスと金額にかける係数はほぼ連動していますので,事情はどのステータスでも同じです.唯一の例外は格安プレミアムエコノミーですが,これも出発日限定の底値なので,ほとんどの場合は拮抗するか,金額基準の方が多くなると思います.
おそらく、2014年のメダリオンボーナスで計算されているとおもうのですが、AFの場合2015年以降は、メダリオンボーナスダイヤモンド – 120%、プラチナ- 80%、ゴールド – 60%、シルバー – 40%となります。ですので、実際にはもっとシビアな数値となると思います。
いつもながら緻密なデータに基づく、詳細で分り易い解説には、頭が下がります。
しかし、デルタは格安旅行者には本当に冷たいですねえー。
但し、Vクラスで100%加算は今時珍しい加算率なので、今までがお得過ぎたのかもしれませんが・・・。
個人的には、MQDが米国以外にも広がりを見せるかどうかが一番気になっていたのですが、全く同業他社には広がる気配がありませんね。
かっちゃんさん
お,ボーナスまで変わるのを見落としていました(汗).ご指摘ありがとうございました.時間を見つけて修正します.
ボーナスが減ると距離基準はさらに厳しくなりますね.他社に付けた場合との比較もやってみたいところですが,特典の必要マイル数との兼ね合いもあって難しいところです.とりあえずASでのDLフライトの加算率も下がるようです.
疾風さん
いえいえ,ありがとうございます.
他社の格安航空券で100%というのは確かに珍しいですが,一方ジョイントベンチャーを組んでいるのだから自社並みにしてもいいのではという気がしないでもありません.
> 個人的には、MQDが米国以外にも広がりを見せるかどうかが一番気になっていたのですが、全く同業他社には広がる気配がありませんね。
為替変動などの扱いが面倒なせいか,DLもUAもまだ米国在住者だけですね.真偽のほどはわかりませんが,FlyerTalkに他国では法律違反になる可能性があるという投稿もありました.アメリカの航空運賃が安く,上級会員が多すぎるだけなのかもしれません.
改めて拝見すると、相当ビジネス客を優遇していることがわかりますね。ビジネスクラスはもちろんのこと、たとえば、ニューヨークーシンシナティのような路線だと、大した距離でもないのに直行便はなかなかの価格となっており、出張される方はエコノミーであっても従来より多くのマイルを獲得することができますから、うまみがありますね。
こんにちは。
これはまさに私が見たかった計算で、Takさんがやってくれるものと信じて待っていました。
大西洋路線では、Deltaの他にAZ, AF, UXなどのSkyTeam加盟会社が運航しているので、Flying Blue並みに調整するだろうとは予想していましたが、その通りになりました。
プレミアムエコノミーだけ変なことになっていますが、見落としでしょうね。あれだけ膨大な値を調整しなくてはならないのですから。
それを除くと、明らかに金額ベースの方が得ですね。全く良くできています。Alitaliaの格安ビジネスの300%加算でさえ、DeltaのGold会員の金額ベースの方が多くのマイルを生みそうです。
日本では、Gold Medallionがクレジットカードに付帯してくるので、SkyMiles会員はGoldとして考えればよいのですが、それでもマイルが貯まっていく楽しみは無くなりつつあります。Flying Blue並みですから。
かっちゃんさん
おっしゃる通り,直前に正規運賃を購入することが多い出張者優遇のシステムだと思います.ハブ間は高くなりがちですが,ビジネス客は利便性重視なのでやはり得をしそうです.
pechedenferさん,こんにちは.
プレミアムエコは来年春まで限定の最低10日滞在という特別運賃で,普通はこの値段では乗れないと思います.そういう場合はマイルの方が得なこともあるけど,ほとんどの場合は金額加算の方がよいということですね.
ゴールドのボーナスがほぼ半減するのは日本の方には痛いでしょうね.しかし,ちゃんと調べたわけではありませんが,FlyingBlueは特典の必要マイル数が多いイメージがあり,その意味では加算マイル数が同等ならまだDLのほうがましかもしれません.