ご存知のとおり,マイレージプログラムの加算マイル数は歴史的に飛んだ距離を基準にしていました.そもそも「マイル」という単位や「マイレージプログラム」という呼び方がそれを示しています.
ところが,アメリカではその原則がだんだん崩れつつあります.今年から,デルタ・ユナイテッドが上級会員資格基準に航空券代の合計金額を追加しました (アメリカ在住会員のみ).上級会員を儲かる客に限定したいという気持ちはわからなくはありませんが,航空会社に対する愛着心をお金で計ることに疑問もあります.
さらに,デルタは来年から特典マイルについてもエリートステータスによって1ドル=5~11マイルで計算するようになります.これまでもLCCを中心にそのようなシステムを採用する会社はあったのですが,そういう会社は運賃のバリエーションがあまりない上に,同じような距離の路線が多いので,もともと航空券代と距離はだいたい比例していました.マイルの使い道もほとんど自社の国内線エコノミーだけです.
しかし,長距離国際線を運航し,世界中の航空会社と提携する大手がこのようなシステムを導入するとなると全く話が違ってきます.今までマイル遊びの醍醐味だった,マイル単価の安い航空券を探して乗って獲得したマイルをファースト特典に使うという方法が通用しません.残念ながら,アメリカン・ユナイテッドもいずれ追従するだろうというのが大方の予想です.
この流れで,いずれマイルを使う方も金額基準になるのでは,という心配があります.つまり,有償航空券の金額に一定数をかけたマイル数を引き落とす,というシステムです.こうなると国際線なら有償で100万円以上するファーストクラスチケットを特典で購入するには膨大な数のマイルが必要になってしまい,マイル遊びは完全に終焉を迎えそうです.
しかし,そこまで極端な変更はしないのではないか,というわりと説得力のある理由があります.それはキャッシュバッククレジットカードとの差別化ができない,というものです.
現在航空会社にとってクレジットカード会社に売るマイルはかなりおいしい商売です.しかし,マイルの獲得も利用も金額が基準になってしまったら,利用金額に対して一定の割合でキャッシュバックがあるカードと変わりません.それどころか,同じアライアンスの航空券にしか使えず,マイルが貯まらないという意味で不利になります.そうなるとマイレージクレジットカードを使おうという人はいなくなり,マイルを売ることもできなくなってしまいます.
というわけで,マイルの使い方は将来的にも変わらないというのが私の予想ですが,いかがでしょうか.
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日本に住む我々にはピンと来ない部分もありますが、近い将来完全金額制になるのかしら?
しかし、改悪分野においてはいつもデルタが率先して動くことが不思議です(笑)。
ビジネス客に特化するのは理解できますが、企業イメージ的にはどうなのかな?と思ってしまうのですが・・・。
仰せの通り、マイルをカード会社に売るのは相当おいしい商売みたいなので、私も当面続くのではないかと予想しています。
実際バイマイルのプロモーションも、リーマンショックの前よりも増えた印象ありますし、航空会社の仕入れは相当安いのでしょう。
しかし、「エリートステータスによって1ドル=5~11マイル」か・・・嫌な時代になったものです。
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疾風さん
で,UAが悪いところだけ真似するというパターンですね(笑).DLは機材やサービスの方は確実に改善していますので,そのあたりが数字となって表れているような気がします.マイラーとしては残念ですが,やはり利益の出る客層ではないのでしょう.
DLの変更は普通に見ると改悪ですが,MQDが始まって安い運賃ではステータスが取れなくなったし(=上級会員になれた人はアップグレード等がしやすくなる),来年からは高い運賃を払っている人ほどマイルも貯まるので,実はビジネス客にとっては改善と言えるのかもしれません.