何事もほどほどに 2


アメリカでは,日本と比べてクレジットカードなどを使ってマイルが貯まりやすいのは間違いないところです.一番大きいのはサインアップボーナスで,2万5千マイルはごく普通,3万5千マイル (しかも初回利用後とか) でやっと考えようかなという感じです.以前はもっとすごかったらしいですが,最近ではCitiのアメリカン提携クレジットカードで10万マイルというのが久々の大型ボーナスでした.「サインアップ」ボーナスとは言っていますが,アメックスのようにキャンセルして3ヶ月以上経って再度申し込めばまたボーナスがもらえることもあります. 2015年9月アップデート:アメックスはボーナスは2度目以降もらえないように規約を変更しました.
カードを使ったときに獲得できるポイントも大きいです.1ドル1マイル (ポイント) が原則ですが,利用目的に応じて1ドル当たり2~3マイルのボーナスが付くことも少なくありません.さらに,クレジットカード会社などのショッピングサイトで買うと1ドル10マイル近い割合になることもあります.このように工夫次第で年に何回もファースト特典が取れるようなペースでマイルを貯めることが可能なのです.
さて,取得したクレジットカードを普通に日常の諸費用支払いに使っていれば問題はないのですが,中にはちょっと行き過ぎた「工夫」をする人もいます.
一つは,何枚も同時にクレジットカードを申し込むトリック.クレジットカードを申し込むと一時的でもクレジットスコアが下がるので,何枚も続けてカードを申し込んでも断られるのが普通です.しかし,ほぼ同時に複数枚申し込むとデータベースの更新が間に合わず高いスコアが使われるので,すべて承認される可能性が高くなります.
もう一つは,こちらのマイレージ用語で manufactured spend と言われるものです.適当な訳語が浮かびませんが,要するにクレジットカードポイントの獲得だけのためにカード利用実績を造り出すことです.
古典的な方法は,カードで商品を購入し,それをebayなどで売りさばく,というもの.うまく売ればポイントだけ懐に入ることになります.これは出品・発送の手間もかかりますし,商品を見極めないと不良在庫を抱えることになりかねませんから,時間のある人でないと難しいでしょう.
詐欺に近い方法としては,払い戻し可能な航空券を購入→ボーナスポイントを獲得→カードをキャンセル→航空券をキャンセル,というのがあります.キャンセルした航空券の代金は購入に使ったクレジットカードへのクレジットとして戻ってくるのが普通ですが,この時点で既にカードがキャンセルされている場合,チェック (小切手) で払い戻されるのがポイントです.本人は意図的でなかったと言っていますが,結果的にこれをやってしまった人がアメリカンのマイレージアカウントを閉鎖されたそうです.私は,いくらボーナスポイント目当てのカードでもボーナス獲得直後にキャンセルするのは避けるようにしています.
つい最近まではルールの範囲内でもすごい方法が可能でした.アメリカンエクスプレスがWalmartと提携してBlueBirdという預金口座商品を出しています.入金は,Walmart店舗で現金を払うか,専用のカード (Vanilla Reloads Card) を購入すればできます.後者は$500あたり$3.95の手数料がかかるのですが,最近までクレジットカードで購入できました.この口座に入ったお金は要するに現金ですから,モノに交換することなくクレジットカードポイントが貯められたわけです.アメリカはクレジットカード社会とはいえ,家賃や税金などクレジットカードでは払いにくい費用もあり,BlueBirdを使えばそういう費用でもポイントが獲得できました.
さらにさらに,クレジットカード残高の引き落とし口座としてBlueBird口座を使うという技を編み出した人がいました.すると,クレジットカード→Vanilla→BlueBird→クレジットカードとお金をぐるぐる回すだけで,無限機械のようにポイントを生み出すことができたのです.さすがにこれはないだろうということになったのか,4月の初めにVanillaが現金購入限定になり,この手は封じられてしまいました.
この話とセットで登場するのがChaseのInk Boldというビジネス用クレジットカードです.オフィス用品の小売店でこのカードを使うと1ドル5ポイント付くので,Office Depotのようなオフィス用品店でVanillaカードを買うとさらにお得だったわけです.実は,Chase Ultimate Rewardsのアカウントを閉鎖されたという報告が最近相次いでいるのですが,理由の一つはInk BoldカードでVanillaカードばかり買っていたことではないかと言われています.
アカウントを閉鎖されてしまっては元も子もありませんから,何事もほどほどがよいようです.


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2 thoughts on “何事もほどほどに

  • グローバル・フライヤー

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    やはりアメリカでの一番大きな利点はクレジットカード開設によるボーナスポイント・マイルでしょう。
    5万~10万ものボーナスポイント・マイルが貯まり、いろいろな航空会社や銀行、ホテルが発行していますので選び放題です。
    アメリカンエクスプレスのBlueBirdは預金口座商品と言うより、プリペイド・クレジットカードに預金口座機能が付いた商品のようです。
    当初、Bluebirdはクレジットヒストリーのない人や、悪い人を対象にしたプリペイド・クレジットカードでしたが、そこに預金口座機能(支払い機能・小切手)が付帯しました。
    また、Vanilla購入が難しくなった今、注目されているのが、アメリカンエクスプレスのServeです。
    ServeはBluebirdの姉妹商品みたいなもので、ほぼ機能は同じですが、月1000ドルまでクレジットカードで入金が可能です。ただ、ServeとBluebirdを同時一人で開設はできません。
    最近の航空会社・ホテルの改悪(特典必要マイル・ポイント数増加)や今回のVanilla購入不可など、どんどん締め付けが厳しくなり、マイル・インフレですが、まだまだマイル・ポイント積算方法はあり、今後も誰かが開発するでしょう。当分、マイルゲームは止められません。

  • tak-airtravel

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    グローバル・フライヤーさん
    本当にボーナスポイントは大きいです.私もまだまだ未開拓のカードがありますが,年会費とクレジットスコアとの相談ですね.
    > アメリカンエクスプレスのBlueBirdは預金口座商品と言うより、プリペイド・クレジットカードに預金口座機能が付いた商品のようです。
    なるほど,そういう経緯でしたか.プリペイドだから事前入金が必要で,それが逆に悪用?されたわけですね.
    Serveですか・・・いろいろありすぎて私にはついて行けません(笑).今までの様子を見ていると,確かにまだしばらくはいたちごっこが続きそうです.