FFPからの解脱 8


ほんの2~3年前まで,米系エアラインのFFPは世界的に見ても上級会員特典が充実し,マイルの加算・利用ともしやすい方だったのですが,それも今や昔.特に大手3社は加算方法も特典ルールも似たり寄ったりだし,上級会員特典も削られる一方で,一概にどこがいいとは言えません.

そうなると,FFPのことは考えずに値段・行き先・便利さでエアラインを選ぶのが得策ということになります.

最近,そういう航空券を相次いで発券しました.

1つ目はロサンゼルス出張で,ものすごく久しぶりに自らユナイテッドを選びました.理由はバーバンク発着で唯一希望する時間帯にフライトがあったから.長いフライトはエコノミープラスを購入し,リッツ・カールトンビザの特典で払い戻してもらいました.

2つ目は,未体験のオマーン航空でお得なビジネスクラス運賃が出ていたので購入したフランクフルト~マスカット~シンガポール往復.片道はマスカットにストップオーバーを入れて少し観光し,シンガポールではシンガポール交響楽団を聴きに行きます.機材面でも,フランクフルト~マスカットのA330-200はJALと同じタイプのシート,マスカット~シンガポールのA330-300はビジネスにも関わらずヘリングボーンでない (「パラレル」型?) 正真正銘の1-2-1配置と楽しみです.マイル加算先はオマーン航空かエティハドの2択ですが,Citi ポイント移行でまとまったマイル数にできるエティハドに加算することにします.使い道が見つかるかどうかは不明で,マイル優先ならちょっとためらう航空券です.

3つ目はそのフランクフルトまでのポジショニングで,シンガポール航空のJFK~フランクフルトのプレミアムエコノミーを試してみることにしました.有償ビジネスはこれといったものがなく,大して遠くないヨーロッパまで特典というのは損な感じがするので,時間帯が良くプレミアムエコノミーでは一番安かったシンガポール航空を選択.これも初めてですが,調べてみるとピッチは米系国内線ファースト並みの38インチ,米系国内線にはないフットレスト付き,Book the Cook まであるということで,ちょっと期待しています.


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8 thoughts on “FFPからの解脱

  • 大阪球場

    Takさん、
    さらっと書かれていますが、一部の人(マニア)にとっては「革命」と言っても大げさではないくらい大きな意味を持つと思うのですが。

    Takさんは、「解脱」という、本当にこれぞというワードチョイスをされておりますが、
    日ごろ聞きなれない言葉なのでWikipediaで調べてみました。Wikipediaによると
    1.仏教においては、煩悩による繋縛から解き放たれて、全ての執着を離れることで、迷いの苦悩の世界から悟りの涅槃の世界へと脱出することを指す。
    まさにその通りですね。笑ってしまうくらいはまっています。

    さて、この先FFPはどういう方向に行き、アメリカ大手3社の収益にどう影響するのでしょうか。

    最後に、タイトルをぱっと見て、FFPから何を解説するのか?
    と思ったのは僕だけではないはず。

    • tak Post author

      大阪球場さん

      タイトルを考えていて何となく「解脱」という言葉が浮かび,でも念のために意味を調べてみようと大阪球場さんと全く同じページを見て,「これだ!」と思った次第です.しかし,FFPの世界ではステータスを達成するという,ある意味正反対の使われ方が多いようですね.ステータスを達成してしまえばもう乗らないというのでない限り,私の使い方が正しいと思うのですが (笑).
      特定のエアラインに愛着がある人もいるかもしれませんが,向こうはあくまでもビジネスとして攻めてくるので,(ステータス達成の費用)>(ステータスのメリット) になった時点でステータス狙いはやめるべきだと前々から思っていて,いよいよその時期が来たように思います.また不況になれば慌てて飴をばらまくかもしれませんが・・・ これを期待するようだと完全には解脱できていませんね (笑).
      FFPから何を解脱するのか・・・やはり我々の魂ではないでしょうか (大笑).ステータスに魂を売ることだけはしないように,冷静でいたいと思います.

      • 匿名

        私みたいに数乗らない、乗ってもC以上が多い、という場合には、ほんとステータスは無用の長物です。ばらまかれたら拾いはしますがw

        ところで、オマーン航空のCで、2-2-2なのに窓側から通路アクセスできる機材がありましたよね、あれは乗られないのですか?

        • tak Post author

          匿名さん

          はい,最近はCやアメリカ国内線Fが安いことも多いので,それを買ってしまう方がよいこともありますね.

          > ところで、オマーン航空のCで、2-2-2なのに窓側から通路アクセスできる機材がありましたよね、あれは乗られないのですか?
          実は予約した当初FRA-MCTはそのシートを搭載した787だったのですが,その後機材変更ですべてA330になり,ExpertFlyerのシートマップも1-2-1だったり2-2-2だったりしてよくわかりません (苦笑).2-2-2の方はJALと同じ全席通路アクセスのシートで,最終的には両方乗れるものと期待しています.

  • NWエリア

    Takさん 確かに米系大手3社が似たり寄ったりのプログラムにしてしまって、特定のプログラムのステイタスを維持することにも魅力が感じられなくなってきています。発端はD社が改悪をリードしたためだと思っています。他もそのほうが楽だしという感じで追随しました。LCCの参入増加に伴う価格競争(歓迎)で、大手も数ヶ月前の早い予約の段階ではLCC価格と同一レベルで提示しています。
    特定プログラムへ マイルは ためにくくなりますが、Takさんのいうとおり「FFPのことは考えずに値段・行き先・便利さでエアラインを選ぶのが得策ということになります。」ね。

    • tak Post author

      NWエリアさん

      おっしゃる通り,DLがあらゆる改悪の先鞭をつけていますね.LCC参入は価格競争にはプラスですが,FFPもLCC並みまで落ちるという副作用が出てきてしまいました.まあ,まだ同じ値段なら大手の方がマシだと思いますが.
      AA,UAもせめてDLの定時率を真似してくれればいいのですが,なかなか良いところは真似してくれません (苦笑).

  • Pechedenfer

    Takさん
    この記事は大変参考になりました。私もアメリカの3大会社については、Takさんのように方針転換をされる方が多いのではと思っていました。支払金額制になり、特典が減ったことに加え、会社による個性が小さくなったことから、FFPが本来の機能(顧客囲込みの機能)を失いつつあるような気がします。マイル購入とマイル利用のキャンペーンは行うでしょうから、まだゲーム感覚は残っていそうです。しかしクレジットカードやFSPポイントがますますモノを言うようになります。
     スケールは小さくなりますが、JALとANAのFFPがすごく違うかと言うと、そうでもありません。しかしどちらかを優先して乗る客は多いので、アメリカの3大会社も顧客離れは深刻にはならないかもしれません。問題は利用頻度も多いけれど利用路線も多彩な利用者で、FFPや航空連合は便を選択する要因としては弱くなるでしょうね。
     アジアやヨーロッパの場合、言語や文化のしがらみが強いので、改悪があっても各FFPの個性は残るし、会員側でも別のFFPへの移動には大きな障壁を伴います。そのため、アメリカで起きているようなダイナミックな変化はしばらく起きないでしょう。しかし全体としては、アメリカと同じ方向を向かっている気がします。何だかつまらない話です。

    • tak Post author

      Pechedenferさん

      ブログのネタ探しに役立つという利点は目からウロコでした (笑).実際のところ出張+ブログネタに困らない程度の私用フライトがあれば,上級会員を狙わなくても1~2つは維持できるとは思います.しかし,おっしゃるとおり米系FFPのメリットは減りましたので,これまでFFPが弱いために敬遠されてきたLCCや,ステータス維持費用が小さいTKやA3に移る人が出てくるかもしれません.修行からマイル購入に切り替える人も含めると,大手全体としても乗客数が減る可能性はやはりあると思います.
      アメリカはルートの選択肢が広いのでその都度利便性と運賃を勘案して最適なエアラインを選ぶことができますが,日本ではJALもANAもほとんど変わらないので移るモチベーションはあまりなさそうですね.米系FFPが落ちた分JALやANAのプログラムが相対的に良く見えてきたのですが,ステータス獲得のためには自社に半分乗らなければならないのがネックになって,移籍に踏み切れていません.